家賃滞納の督促は内容証明で|管理会社の手順と書き方
家賃滞納の督促を内容証明で行う手順を、管理会社・オーナー向けに整理しました。電話や普通郵便のあとの流れ、督促状に書く項目、支払い期限の決め方、配達証明を付ける理由まで解説します。
会社の内容証明は、Excelの表から最大100通まとめて作れます。弁護士監修の書式つき・10日間無料。
10日間無料で試す家賃滞納の督促は、電話や普通郵便で連絡しても入金がないときに、内容証明で「いつ・誰が・誰に・どんな内容を送ったか」を記録に残す流れが一般的です。書く項目は、契約の特定、滞納額の内訳、具体的な支払い期限、振込先などです。届いた日を残すために、配達証明を付けることも多くあります。
この記事は、会社が差出人として内容証明を出す場面を想定し、業務の手順として整理しています。
家賃滞納の督促は、どんな順番で進めればよいですか?
督促は、軽い連絡から少しずつ段階を上げていくのが一般的です。いきなり内容証明を出すより、まず入金漏れや振込ミスの可能性を消していきます。
- 入金の確認:通帳や入金データを照合し、本当に未入金かを確かめます。名義違いの振込や、別の口座への入金がないかも見ます。
- 電話やメールでの連絡:うっかり忘れが多いため、まずは穏やかに確認します。
- 普通郵便の督促状:書面で金額と支払い方法を知らせます。
- 内容証明の督促状:それでも入金がないときに、記録が残る形で正式に請求します。
- 次の手続きの検討:契約の解除や明渡しの請求など、次の段階を検討します。
4の内容証明は、この流れの中で「正式な請求を残す」役割を持ちます。5の解除や明渡しは、督促とは別の書面と判断が必要です。この記事では4までを扱います。
電話・普通郵便のあとに、内容証明を出すのはなぜですか?
理由は、あとから「言った・言わない」になるのを防ぐためです。電話は記録が残りにくく、普通郵便は「いつ・どんな内容を出したか」を郵便局が証明してくれません。
内容証明は、いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を出したかを日本郵便が証明する制度です。差出人の手元には、出した文書の控え(謄本)も残ります。
ここで知っておきたい点があります。内容証明は、文書の内容が正しいことを証明するものではありません。また、相手に支払いを強制する効力もありません。あくまで「この内容で請求した」という事実を残す手段です。
事前に整理しておく記録
内容証明を出す前に、これまでの対応を一覧にしておくと、文面を作りやすくなります。
- 滞納している月と、それぞれの金額
- 電話やメールをした日と、相手の反応
- 普通郵便を出した日と、書いた内容
- 契約書に書かれた支払日、振込先、遅延損害金の定め
- 保証会社や連帯保証人の有無
なお、催告には時効との関係もあります。催告をすると、その時から6か月を経過するまでは時効が完成しません。ただし、その間に裁判上の請求などの手続きが必要です。猶予中に再度催告しても、期間は延びません。内容証明を出したことで安心せず、次の手続きの予定も立てておきます。
「家賃滞納の督促」の内容証明を、Excelの表からまとめて作れます
AIが表の列を合わせ、e内容証明の差込差出しの形式で最大100通。規定(文字・字数・枚数)は1通ずつ自動でチェックします。
督促状(内容証明)には何を書けばよいですか?
表題は「督促状」とし、次の項目を入れます。文字数や行数のルールは、別の記事「内容証明の書き方」で詳しく説明しています。ここでは、家賃滞納の督促に必要な中身に絞ります。
書く項目のチェックリスト
- 日付:文書を作成した日です。
- 差出人:会社名、住所、代表者名などです。
- 宛先:契約者の氏名と住所です。
- 契約の特定:物件の名称、部屋番号、契約日がわかるようにします。
- 滞納の事実と金額:何月分がいくら未払いか、月ごとに内訳を書きます。合計額も入れます。
- 支払い期限:具体的な日付で書きます(次の見出しで説明します)。
- 振込先:金融機関名、支店名、口座の種類、口座番号、名義です。
- 期限までに支払われない場合の対応:契約に基づいて次の手続きに進むことがある、という旨を落ち着いた言葉で書きます。
- 行き違いへの配慮:すでに支払い済みの場合は連絡してほしい、という一文を添えます。
差出人が管理会社のときの注意
管理会社が差出人になる場合は、どの立場で請求しているのかを文面でわかるようにします。たとえば「物件の所有者の管理を受託している会社として」と書く形です。管理委託契約で、督促や請求を行う権限がどこまで認められているかは、事前に確認しておきます。
書き方のポイント
- 感情的な表現や、相手を責める言葉は避けます。事実と請求内容だけを淡々と書きます。
- 遅延損害金を書くときは、契約書に定めがあるかを先に確かめます。
- 家賃の督促と、契約の解除の通知は目的が違います。解除を伝える場合は、別の書式で、督促とは分けて作るのが整理しやすい方法です。
支払い期限は、どう決めればよいですか?
期限の決め方に、全社共通の正解はありません。一般的には、次の考え方で決めます。
日付で書く
「受け取ってから○日以内」と書くと、受け取った日があいまいになり、期限もぶれます。「○年○月○日まで」と、具体的な日付で書くのがわかりやすい方法です。
相手が準備できる余裕を持たせる
内容証明は、発送した日に届くとは限りません。不在で受け取りが遅れることもあります。発送日から期限までが短すぎると、相手が内容を読んで振り込む前に期限が来てしまいます。届くまでの日数と、振込の準備にかかる時間を見込んで、無理のない日付にします。
契約書や社内ルールとそろえる
契約書に、催告の期間や解除の条件が書かれている場合があります。その定めと食い違わないようにします。社内で督促の基準がある場合は、それにもそろえます。
期限が来たあとの動きも決めておく
期限が過ぎても入金がなければ、次にどうするかを、出す前に決めておきます。担当者ごとにばらばらにならないよう、社内で流れを共有しておくと安心です。
内容証明に、配達証明を付けるのはなぜですか?
配達証明は、相手に届いた日を郵便局が証明するオプションです。内容証明だけでは「いつ出したか」「何を出したか」は残りますが、「いつ届いたか」は別になります。
督促では、届いた日が大切になる場面があります。たとえば、支払い期限を相手に伝えた日や、次の手続きに進む前に請求が相手に届いていたことを示したい場合です。そのため、配達証明を付ける運用がよく取られます。
配達証明の追加料金は350円です。速達にする場合は、さらに300円が加算されます。
相手が受け取らないとき
不在や受け取り拒否で、郵便物が戻ってくることもあります。戻ってきた場合でも、出した記録や謄本は手元に残ります。戻ってきたときの対応は、あらかじめ社内で決めておきます。たとえば、普通郵便を併せて送る、別の連絡手段を試す、といった方法です。
内容証明は、どうやって出せばよいですか?費用はいくらですか?
出し方は、主に2通りあります。
e内容証明(インターネット)
日本郵便のサービスで、24時間受付です(メンテナンス時を除く)。利用登録が必要で、郵便料金はクレジットカードで払います。文書はWordファイル(A4縦)で、1通5枚までです。差出人の控え(謄本)も残ります。
受取人1名・A4 1枚の料金は、次のとおりです。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 郵便料金 | 110円 |
| 電子内容証明文書 | 19円 |
| 内容証明料金 | 382円 |
| 一般書留 | 480円 |
| 謄本送付 | 304円 |
| 合計 | 1,295円 |
2枚目以降は、1枚ごとに366円(文書6円+内容証明料360円)が加算されます。配達証明を付ける場合は350円、速達にする場合は300円が、さらに加算されます。使い方の詳しい手順は、別の記事「e内容証明の使い方」で説明しています。
郵便局の窓口
同じ文書を3通用意します。相手用、差出人用、郵便局保管用です。文字数と行数にルールがあります。
- 縦書き:1行20字以内、1枚26行以内
- 横書き:1行20字26行以内、1行13字40行以内、1行26字20行以内のいずれか
内容証明を扱っている郵便局は一部です。事前に確認してから行きます。
担当者が日常的に出す会社では、時間を選ばず、控えも残るe内容証明のほうが、運用しやすいことが多いです。
滞納者が複数いるとき、表からまとめて作れますか?
管理物件が多いと、滞納者ごとに文面を作り直す手間がかかります。氏名、住所、物件、金額が違うだけで、文章の骨組みは同じだからです。
e内容証明には「差込差出し」という機能があります。受取人ごとに氏名・住所・金額などが違う内容証明を、1回で最大100通まとめて差し出せます。形式は、Wordの文書1つと、差込データのCSVです。
サシダス BUSINESSで書式を使って作る
サシダス BUSINESSは、株式会社HADOが運営する、会社向けの内容証明作成サービス(法人プラン)です。民間サービスで、日本郵便とは提携していません。法律相談・代理・交渉も行いません。
弁護士監修の標準書式に、「家賃滞納の督促」(表題「督促状」)があります。スタンダードプランでは、ExcelやCSVの表から最大100通を一括で作成できます。e内容証明の差込差出しの形式に合わせて作ります。
- 表の列の名前や並びは、自社のままで使えます。どの列が氏名・住所・金額かは、AIが見分けて合わせます(AIに渡すのは見出しと文字の種類だけです)。
- 自社で使っている文面を、AIで取り込んで書式にすることもできます。
- 回答期限の通知、相手先ごとの送付履歴、メンバー管理、操作の記録があります。
- 料金は、ライトが月額9,800円(年払い・税込)で、毎月20通・3ユーザーまでです。スタンダードは月額29,800円(年払い・税込)で、毎月150通・10ユーザーまでです。月払いの場合は、ライトが月額12,740円、スタンダードが月額38,740円です(いずれも税込)。上限を超えた分は1通300円(税込)です。
- 郵便料金は別で、e内容証明で日本郵便へ支払います。
はじめの10日間は無料です。期間中の書き出しは合計10通までで、期間中に解約すれば料金はかかりません。申し込み前に、ログインなしで一括作成を試すこともできます。
よくある質問
- Q. 家賃滞納で内容証明を出せば、支払ってもらえますか?
- 支払いが決まるわけではありません。内容証明は、請求した事実と内容を記録に残す制度で、相手に支払いを強制する効力はありません。それでも、期限を示した正式な請求として、相手に状況の重さが伝わりやすくなります。
- Q. 家賃滞納の督促で、内容証明はいつ出せばよいですか?
- 電話や普通郵便で連絡しても入金がないときに出すのが一般的です。契約書に催告の定めがあるか、社内の督促基準がどうなっているかを確認して、その流れに合わせます。事前に、これまでの連絡の日付と内容を記録しておくと文面を作りやすくなります。
- Q. 管理会社の名前で、内容証明を出せますか?
- 差出人を管理会社にすることはできますが、立場を文面で明らかにします。管理委託契約で督促や請求の権限がどこまであるかを、先に確認しておきます。「所有者の管理を受託している会社として」のように、立場を書く形が整理しやすい方法です。
- Q. 相手が内容証明を受け取らない場合は、どうなりますか?
- 不在や受け取り拒否で、郵便物が戻ってくることがあります。戻ってきても、出した記録と手元の謄本は残ります。普通郵便を併せて送る、別の連絡手段を試すなど、戻ってきたときの対応を社内で決めておくと動きやすくなります。
- Q. 連帯保証人や保証会社にも、同じ内容証明を送るべきですか?
- 契約内容によるため、まず契約書を確認します。連帯保証人がいる場合は、その方に別の書面を送る会社もあります。保証会社を利用している場合は、保証会社への連絡や手続きの順番が、契約で決まっていることがあります。
- Q. 督促状と契約解除の通知は、同じ文書にまとめてよいですか?
- 目的が違うため、分けて作るほうが整理しやすいです。督促状は、未払いの金額と支払い期限を伝える文書です。解除や明渡しの請求は、契約の定めや状況に応じて別の書面で行います。サシダス BUSINESSの標準書式でも、督促と解除の催告つき通知は別の書式になっています。
- Q. 遅延損害金は、督促状に書いてよいですか?
- 契約書に定めがあれば、書く会社が多いです。まず契約書で、遅延損害金の定めの有無と計算の方法を確認します。定めがはっきりしないときは、家賃の未払い分だけを請求する形にする方法もあります。
- Q. 郵便局の窓口とe内容証明では、どちらが向いていますか?
- 継続的に出す会社には、e内容証明のほうが向いていることが多いです。24時間受付で、Wordファイルで差し出せ、控え(謄本)も残ります。窓口は同じ文書を3通用意する必要があり、内容証明を扱う郵便局も一部に限られます。
「家賃滞納の督促」の内容証明を、Excelの表からまとめて作れます
AIが表の列を合わせ、e内容証明の差込差出しの形式で最大100通。規定(文字・字数・枚数)は1通ずつ自動でチェックします。