内容証明の書き方|初めてでも迷わない構成と文字数のルール
内容証明の書き方を初めての人向けに解説。表題・本文・日付・差出人・受取人の並べ方と、窓口で出すときの文字数・行数の決まり、e内容証明での違いまで、自分で進める手順が分かります。
内容証明は、決まった順番で、必要なことを短くまとめれば形になります。基本の並びは「表題・本文・日付・差出人・受取人」です。窓口で出す場合は、1行の字数と1枚の行数に決まりがあるので、先に確認しておくと書き直しが減ります。
この記事では、初めて自分で書く人に向けて、各部分の書き方と文字数の決まりを順番に説明します。
内容証明は何を証明してくれる制度ですか?
書き方を考える前に、内容証明の役割を知っておきましょう。ここを誤解すると、文面の方向がずれてしまいます。
内容証明は、「いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を出したか」を日本郵便が証明する制度です。
逆に言うと、次のことを証明するものではありません。
- 文書に書いた内容が正しいこと
- 相手に支払いなどを強制できること
つまり、内容証明は「この日に、この内容を相手に伝えました」という記録を残すための手段です。文面は、気持ちをぶつけるものではありません。事実と、相手にしてほしいことを、落ち着いて書くものと考えると書きやすくなります。
内容証明の基本の構成はどうなっていますか?
内容証明には、法律で決まった細かい様式があるわけではありません。ただし、一般的に次の並びで書く人が多いです。
| 順番 | 項目 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 1 | 表題 | 何についての文書かを短く示す |
| 2 | 本文 | 経緯、お願いしたいこと、期限など |
| 3 | 日付 | 文書を作成した日 |
| 4 | 差出人 | 自分の住所と氏名 |
| 5 | 受取人 | 相手の住所と氏名 |
表題は付けない人もいますが、あると相手も自分も内容をつかみやすくなります。
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表題・本文・日付・差出人・受取人は、それぞれどう書けばいいですか?
表題の書き方
文書の目的が一目で分かる言葉にします。長くしすぎないことがコツです。
- 「通知書」
- 「催告書」
- 「解約通知書」
- 「請求書」
などが使われます。内容に合う言葉を選びましょう。強い言葉や相手を責める言葉は避け、落ち着いた表現にします。
本文の書き方
本文は、次の順番で組み立てると整理しやすくなります。
- 誰に何の件で出す文書かを書く(例:「令和○年○月○日に締結した○○契約について通知します」)
- 事実の経過を書く(いつ、何があったかを日付順に)
- 相手にしてほしいことを書く(例:「未払いの○○円を支払ってください」)
- 期限を書く(例:「令和○年○月○日までにお願いします」)
- 対応がなかった場合に自分が考えていること(書く場合は、実際にそうするつもりのことだけにします)
書くときのポイントは次のとおりです。
- 事実と、自分の意見や感想を分けて書く
- 日付、金額、契約名など、確認できることを具体的に書く
- 一文を短くし、「です・ます」か「だ・である」のどちらかにそろえる
- 感情的な言葉、相手を傷つける言葉は使わない
- 1通の文書で伝えるお願いは、できるだけ絞る
本文が長くなるほど、文字数の制限の中に収めにくくなります。伝えたいことの中心を決めて、不要な説明は思い切って削りましょう。
日付の書き方
文書を作成した日を書きます。本文のあとに、1行あけて書くのが一般的です。和暦でも西暦でもかまいませんが、文書の中ではどちらかにそろえましょう。
実際に郵便局へ出す日、またはe内容証明で差し出す日と、大きくずれないようにしておくと分かりやすいです。
差出人の書き方
自分の住所と氏名を書きます。住民票や契約書に書かれている表記と合わせるのが安心です。
- 番地や部屋番号を省略しない
- 会社として出す場合は、会社名と代表者名も書く
- 氏名の漢字や旧字体も、普段使っている正式なものにする
受取人の書き方
相手の住所と氏名を書きます。差出人の下に並べるのが一般的です。
- 契約書や請求書などで、相手の正式な名前を確認する
- 会社なら、会社名と代表者名まで書く
- 郵便が届く住所かどうかを確認する
相手の住所や名前が違うと、届かないおそれがあります。書く前に、手元の書類でよく見直しましょう。
書き方の見本(イメージ)
実際の文面は事案ごとに変わるため、次はあくまで形のイメージです。
通知書 私は、令和○年○月○日に、貴殿との間で○○契約を結びました。 しかし、令和○年○月○日を過ぎても、○○円の支払いがありません。 そこで、令和○年○月○日までに、下記の口座へお支払いください。 (口座の情報) 令和○年○月○日 (差出人)住所 氏名 (受取人)住所 氏名
文字数と行数の決まりはどうなっていますか?
内容証明には、1行の字数と1枚の行数に決まりがあります。窓口で出す場合は、この決まりに合わせて作る必要があります。
郵便局の窓口で出す場合
縦書きと横書きで、次のとおり決まっています。
| 書き方 | 1行の字数 | 1枚の行数 |
|---|---|---|
| 縦書き | 20字以内 | 26行以内 |
| 横書き(パターンA) | 20字以内 | 26行以内 |
| 横書き(パターンB) | 13字以内 | 40行以内 |
| 横書き(パターンC) | 26字以内 | 20行以内 |
横書きは、この三つのうちどれかに合わせます。途中で組み合わせを変えることはできません。
字数を数えるときのコツは次のとおりです。
- 句読点や括弧も、1字として数えるのが一般的です
- 行の途中で改行したら、その行は短くても1行と数えます
- 余白をつくって調整するより、最初から決めた枠に合わせて書くほうが楽です
複数枚になるときの綴じ方や、押印の位置などの細かい決まりは、郵便局で扱いが異なることもあります。事前に窓口で確認しておくと安心です。
窓口で出すときに用意するもの
同じ文書を3通用意します。
- 相手に送る分
- 差出人(自分)が手元に残す分
- 郵便局が保管する分
また、内容証明を扱っている郵便局は一部です。行く前に、近くの郵便局が対応しているかを確認しましょう。
e内容証明で出す場合は、書き方や決まりはどう変わりますか?
窓口に行かず、インターネットで差し出せるのが日本郵便の「e内容証明」です。
- 24時間受付(メンテナンス時を除く)
- 利用登録が必要
- 郵便料金はクレジットカードで払う
- 文書はWordファイル(A4縦)で用意する
- 1通5枚まで
- 差出人の控え(謄本)も残る
窓口のように3通を印刷して持っていく必要がないのが、大きな違いです。ただし、e内容証明にもWord文書の形式に関する規定があります。規定に合わないと差し出せないため、日本郵便の案内をよく読んで作りましょう。
e内容証明の料金のめやす
受取人が1名で、A4が1枚の場合の料金は次のとおりです。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 郵便料金 | 110円 |
| 電子内容証明文書 | 19円 |
| 内容証明料金 | 382円 |
| 一般書留 | 480円 |
| 謄本送付 | 304円 |
| 合計 | 1,295円 |
2枚目以降は、1枚ごとに366円(文書6円+内容証明料360円)が加わります。
オプションは次のとおりです。
- 配達証明:+350円
- 速達:+300円
配達証明は、相手に届いた日を郵便局が証明するオプションです。「いつ届いたか」を残したいときに役立ちます。
出す前に何を確認すればいいですか?
書き上がったら、次のチェックリストで見直しましょう。
- 表題から受取人まで、並びがそろっている
- 日付、金額、契約名などに書き間違いがない
- 相手にしてほしいことと期限が、はっきり書かれている
- 事実と感想が混ざっていない
- 差出人と受取人の住所・氏名が、書類と一致している
- 窓口なら字数・行数の決まりに合っている
- 窓口なら3通そろっている
- e内容証明ならWordのA4縦、1通5枚までに収まっている
- 配達証明や速達が必要か、決めている
声に出して読んでみると、読みにくい文や、言い過ぎている部分に気づきやすくなります。
書き方に不安があるときは、サシダスを使う方法もありますか?
自分で書くのが不安な人向けに、サシダスというサービスがあります。株式会社HADOが運営する民間サービスで、用途を選んで質問に答えると、日本郵便のe内容証明の規定どおりのWord文書ができます。書式は弁護士監修です。
- 利用料は1通2,980円(税込)です
- 郵便料金は別途、日本郵便へ支払います
- 規定エラーなどで差し出せなかった場合は、利用料を全額返金します(条件あり)
- 日本郵便とは提携していません
文面の形づくりを任せたい人は、選択肢のひとつとして検討してみてください。自分で書く場合も、この記事のチェックリストを使えば、大きな見落としは減らせます。
よくある質問
- Q. 内容証明の書き方に決まった様式はありますか?
- 文面そのものに、決まった様式はありません。一般的には、表題・本文・日付・差出人・受取人の順に書きます。窓口で出す場合は、1行の字数と1枚の行数に決まりがあります。
- Q. 内容証明は縦書きと横書きのどちらで書けばいいですか?
- どちらでも出せます。縦書きは1行20字以内・1枚26行以内です。横書きは、1行20字26行以内、1行13字40行以内、1行26字20行以内のいずれかに合わせます。
- Q. 内容証明を出すと、相手に支払いを強制できますか?
- できません。内容証明は、いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を出したかを日本郵便が証明する制度です。文書の内容が正しいことや、支払いなどを強制する効力を証明するものではありません。
- Q. 内容証明は自分で郵便局に行かなくても出せますか?
- e内容証明を使えば、インターネットで差し出せます。24時間受付で、利用登録が必要です。Wordファイル(A4縦)で、1通5枚まで作れます。
- Q. 相手に届いた日も証明してもらえますか?
- 配達証明をつけると、相手に届いた日を郵便局が証明してくれます。e内容証明では、配達証明は+350円のオプションです。
- Q. 内容証明を出すには、いくらかかりますか?
- e内容証明で、受取人が1名、A4が1枚の場合は、合計1,295円です。内訳は、郵便料金110円、電子内容証明文書19円、内容証明料金382円、一般書留480円、謄本送付304円です。2枚目以降は1枚ごとに366円が加わり、配達証明は+350円、速達は+300円です。窓口で出す場合の料金は、出す前に日本郵便の案内で確認しましょう。
- Q. 郵便局の窓口で出すときは、何通用意すればいいですか?
- 同じ内容の文書を3通用意します。相手に送る分、自分で持っておく分、郵便局が保管する分です。内容証明を扱っている郵便局は一部なので、行く前に近くの郵便局が対応しているか確認しておくと安心です。3通を印刷して持っていくのが大変な場合は、e内容証明を使う方法もあります。
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